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奏鳴曲 Sonatine

奏鸣曲/ 小奏鸣曲 / Sonatine

7.6 / 15,650人    94分鐘

導演: 北野武
編劇: 北野武
演員: 北野武 國舞亞矢 渡邊哲 勝村政信 寺島進
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襠布幪面俠

2013-09-10 06:39:00

奏鳴曲 ソナチネ 劇本(部份)

************這篇影評可能有雷************

ソナチネ
(そなちね)
製作國●日本
製作年●1993年
公開年●1993年
監督●北野武
腳本●北野武

村川●ビートたけし
上地●渡辺哲
良二●勝村政信
ケン●寺島進
幸●國舞亜矢
殺し屋●南方英二
北島組組長●逗子とんぼ
高橋●矢島健一
片桐●大杉漣

第一巻
(1)麻雀屋
澱んだ空気の中、店員が點棒を揃えている。
入口のドアが開き、村川が入ってくる。
後ろにはケンが従う。
××
村川「ノミ屋をやるのも構わないんだけどよ、それなりに組の方に金を入れてくれないとなあ。俺も恰好がつかないんだよ」
金本「それはあんたたちの理屈で、カタギの俺がそんなことする必要はないですよ」
村川「やってることはヤクザじゃねえか」
金本「ヤクザとかカタギとか言ってるけど警察に怒られるなら話はわかるけど、あんたに怒られる筋合いはないですよ」
村川「テメエ殺すぞ」
金本「馬鹿なこと言わないでくださいよ」
村川「馬鹿はテメエじゃねか」
××
村川とケン、出ていく。

(2)喫茶店
ボーイがナンパしている。
ボーイ「デート?・・・・・・もうさっきから30分も待ってるじゃない。捨てられたんじゃないの。あのさ、俺もうじき仕事はけるからちょっと一緒にどっか行かない。なっディスコでもどこでもいいからさ」
ガラス越しにボーイに目を留めた村川、ケンに耳打ちして歩き去る。

(3)村川組事務所
村川が帰ってくる。
「お帰りなさい」と片桐と組員が出迎える。
片桐「さっき北嶋の親分さんから電話がありましたけど、出先なんでまた後から掛けるって言ってました・・・・・・どうでした」
村川「うん・・・・・・やっちゃうか」
電話が鳴る。
出ようとした組員を制する片桐。
片桐「おい、いいよ」
と、片桐が電話に出る。
片桐「はい、あっ・・・・・・オヤジです」
村川「(電話をかわって)はい、・・・・・・ええ・・・・・・今日ですか? はい、はい」
ケンがボーイを連れて帰ってくる。
村川の前に立たされるボーイ。
ボーイ「御無沙汰してます」
村川「お前、組みやめて田舎に帰ってたんじゃないのか?」
ボーイ「クールドのマスターがちょっと店、手伝ってくれねえかって言うから田舎帰るの延ばしたんです」
村川「ボーイならボーイらしい恰好して働けよ、んー?」
ボーイ「はい」
村川「ふざけたことやってたらただじゃおかねえぞ。このヤロウ」
ボーイ「すみません」
村川「帰れ」
ボーイ「失禮します」
ボーイ、帰って行く。
見送る村川。
電話が掛かってくる。
組員が出る。
組員「村川興業社です。(片桐に取り次ぐ)兄貴電話です。岸本」
片桐「はい、片桐です。10月? 10月までってこの間8月って言ってたじゃねえかどうにかしろよ」
ケンが他の組員に、
ケン「田中運転大丈夫だよな?」
組員「お前らあの麻雀屋知ってるよな?」
組員「はい、知ってます」
ケン「夕方から行ってろよ。後で連絡するから」
組員「わかりました」
片桐の電話が続いている。
片桐「出來ない?・・・・・・テメエなめてんのかこのヤロー! さらっちゃうぞこのヤロー! 借りる時だけへいこらしやがってなめんじゃねえぞ、このヤロー」

(4)喫茶店の前の通り
村川を乗せた車が通り過ぎる。

(5)村川の走る車內
村川「ケン、ヤクザやめたくなったな」
ケン「けっこう荒っぽいことやって來ましたからね」
村川「なんか、もう、疲れたよ」
ケン「金持ってるとイヤになっちゃうんじゃないですか?」
川村「(笑って)・・・・・・」

(6)北嶋組事務所・中
車から降りる村川とケンが見える。
高橋が二人を見ている。
高橋「來ました。最近、あいつも羽振りがいいですね」
北嶋「まさか南口に地下鉄が出來るとは思わなかったものなあ。この辺は閒古鳥が鳴いてるよ、まったく」
高橋「今度の件でどうにかなるでしょう」
北嶋「まっ、上手くやってくれよ。なっ」
××
北嶋のボディガードが村川を睨みながらお茶をすする。
高橋「沖縄の中松さんのところが阿南組とドンパチ始めちゃったらしいんだよ。で、どうしても助けてくれって親分に泣きが入ってさ。まあ、うちとしても人を出さなきゃいけなくてさ。川村、お前、何人か連れて行ってくれないか」
川村「北海道の時はうちの若い衆、三人も死んでるしな。あんまり乗れねえな」
高橋「そのおかげで今のシマ貰ったじゃないか。だいぶ羽振り、いいらしいな、そのくらいの恩返ししなきゃな」
川村「高橋、お前も行くんだろうな」
高橋「俺はお前、親分の面倒とか、組のまとめとかやんなきゃいけないだろ。行きたくたって行けないんだよ」
川村「じゃあ、俺の組はどうなるんだよ」
高橋「お前の組は片桐が仕切るだろ。後は」
北嶋「まあ、考えておいてくれよ。ただ、行くだけで後は手打ちで終わりだと思うんだ」

(7)麻雀屋
金本が事務所から出てくる。
待ち構えていた村川組の組員が金本を取り囲む。

(8)麻雀屋・表
金本、両側から抱えられて、車に押し込められる。
走り去る車。

(9)クラブ
北嶋を囲んで高橋たちが控えている。
村川だけが菸草をふかしている。
北嶋「タバコ吸っていいぞ」
一斉に菸草に火をつける組員たち。
北嶋「兄弟分ってだからってあいつの世話になったことなんて一回もないからなあ高橋」
高橋「貸し借りの世界じゃないですからねえ」
北嶋「親分子分はまた別だけどな」
高橋「そりゃあ親分に言われれば白い物でも黒いって言わなきゃいけない間柄ですから」
村川「お前は白い物を白いって言うじゃねえかよ」
ボーイが來て村川に電話を取り次ぐ。
ボーイ「村川さんお電話です」
席を立つ村川。
村川「帰ります」
北嶋、待たせていたホステスを呼ぶ。
北嶋「おい、みんな來い」
ホステス「はーい」
ホステスの間を抜けて部屋を出てきた村川が電話に出る。その橫を通って高橋がトイレに行く。

(10)トイレ
高橋が振り向く。
高橋「なんだよ」
いきなり毆り掛かる村川。
外ではケンが見張りをしている。
村川、高橋を毆り倒して出てくる。
トイレに倒れている高橋。
水洗の音がしてドア開きかかるが、開かない。
男「あれ?」
ドアに押されてくずれる高橋。

(11)岸壁
村川とケンが到著する。
片桐が出迎える。
村川「どうした?」
片桐「むこうに居ます」
村川「ふーん」
村川が前方を見て笑い出す。
村川「ひでえことするなあ、おい」
クレーンに吊られている金本が見える。
村川が金本に近付いていく。
縛られたまま村川に話掛ける金本。
金本「村川さん、ちょっと話聞いてくださいよ」
村川「うるせえんだよバカ野郎」
金本「ちょっと聞いて下さいよ。毎月いくらならいいんですか」
村川「もういらねえよ」
金本を見上げていた村川が片桐に向いて、
村川「あれ、沈めたら何分くらい持つかなあ」
片桐「普通は二、三分じゃないですかねえ」
村川「二分位沈めてみるか」
片桐「おい、沈めろ」
片桐の指示でクレーンが動きだし金本が海の上に出ていく。
必死に叫ぶ金本。
無表情に見ている村川たち。
金本、海の中に沈んで見えなくなる。
なおも沈み続けるクレーン。
海面にロープが揺れている。
海面を見ていた村川。
村川「上げてみるか」
片桐「おい、上げろ」
クレーンが動きだし金本が海面から出てくる。
必死の金本。
金本「・・・・・・村川さん!」
村川「なんだ生きてるじゃねえか」
金本「・・・・・・止めてくださいよ!」
村川「三分位やってみるか」
片桐「おい、沈めろ」
再び沈められる金本。
海の中に消える。
海面を見つめていた片桐。
片桐「兄貴、沖縄ってちょっとヤバイんじゃないですか」
村川「うん、まあ行くだけ行ったら手打ちになるってオヤジも言ってるしな」
片桐「沖縄はそううまくはいかないですよ。北海道の時も三人死んでるし」
村川「・・・・・・」
金本の沈んでいる海がさざめいている。
それを見ている村川たち。
村川「・・・・・・もう三分過ぎたんじゃねえか」
片桐「あっ過ぎました。おい、上げろ」
金本を縛ったロープが上がってくる。
動かない金本。
村川「死んだな。なっ、まあいいや。後は頼むぞ」
片桐「はい」

第二巻
(12)北嶋組事務所・中
助っ人たちの自己紹介が始まる。
酒井「酒井です。よろしく」
奧村「奧村です」
広瀬「広瀬です」
伊藤「伊藤です」
高橋「後で俺んとこのも何人かくるから」
村川が高橋に向き、
村川「オレがくたばったらうれしいだろう」
高橋「ああ、安心して便所に行けるしよ」
村川「(笑う)」
殘りの助っ人が入ってくる。
高橋「そこに並んで自己紹介しろ」
前田「前田です」
大野「大野です」
津田「津田です」
村川「なんでお前がそこにいるんだ」
津田「高橋さんが沖縄に連れてってくれるからって言うもんですから」
広瀬「冗談じゃねえ。こんなガキと一緒に行けるかよ。お前ら、小學校の遠足じゃねえんだぞ」
前田「何だコノヤロー」
広瀬、刺される。
暴れ出す七人。
無関心な村川。
眺めている北嶋。

(13)沖縄・那覇空港駐車場・マイクロバスの中
沖縄の太陽。
シャブ中がシャブを作っている。
上地が村川たちを連れてシャブ中の傍に立つ。
上地「なにやってるんだ」
シャブ中、慌ててシャブを飲む。
上地「てめえ、シャブやめろって言ったろう」
上地の挨拶が始まる。
上地「この度はご苦労様です。これから事務所に行って、そこで休んで頂いて夜にでも親父のほうから食事に招待してますから」
良二「あっ、良二って言います。飲み物とアイスクリームありますから、よかったら言ってください」
上地「(運転手に)おい、白石行け」
白石「はい」
走り出すマイクロバス。
それぞれの表情でバスに揺られている。
前田「何か飲みますか?」
広瀬「俺いらねえや。腹痛くて飲めねえ」

(14)沖縄の事務所・表
マイクロバスが停まって、村川たちが降りてくる。
上地を先頭に二階に上がって來る村川たち。
閒散とした事務所を見回す村川。
村川「夢のようだなこりゃ」

(15)同・中
上地「ここしばらく使ってなかったんで汚いですけど、まあ、永いことここにいるわけじゃないし適當にやってください。トイレはその橫にありますから。良二、道具持って來い」
良二「はい」
良二、ハジキを取りに行く。
上地「使うかどうかわかりませんけど適當に選んで下さい」
良二「アメ公騙して取ったものだからわかんないですよ」
と、銃聲と共に窓ガラスが割れる。
村川、割れた窓ガラスを見て、上地に眼を戻して。
村川「どうなってるんだ。こりゃ」
上地「向こうの挨拶がわりですから、こんな事よくありますからこれでもう手打ちでしょう」
ガラス窓を見つめる村川。
酒井「これからどうなるんですかねえ」
上地「いやーさっきうちのオヤジが阿南組に電話したんですけどね、あんたたちがやって來たから向こうもやる気になっちゃったみたいですね。・・・・・・みんなでお茶沸かしてどうするんだよ」
寄せ集まって流しに集まっているチンピラたち。
片桐と村川が離れて座っている。
片桐「兄貴、こっちも挨拶がわりになんかやってみますか」

(16)阿南組支部・表
離れた場所に車を停めて、様子を伺っている良二とケン。
良二「じゃぁ行ってくるわ」
決心して車をおり、支部に向かう良二。
と、支部のドアが開き、組員が出てくる。
踵をかえす良二。
組員が去ったのを確認して再び支部に向かう。
白い袋から出した手榴弾を手にドアの中にそっと入り、走り出てくる良二。
車內からじっと支部を見つめる二人。
靜まりかえっている支部。
ケン「なにも、ねえじゃねえかよバカヤロウ」
良二「アメ公のヤロウ、またカスつかませやがって」
ケン「・・・・・・どうするんだよ」

(17)堀沿いの道
村川たちが待っている。

(18)沖縄民謡の料亭
奧座敷で、中松と村川たちが呑んでいる。
中松「うちのバカが向こうのヤツひとり撃っちゃって、こんな事になっちゃって別に大した事ないんだよ。相手も生きてるし、だけどそっちの親分が応援よこすって、いいって言ったんだけどこんな大袈裟なことにしなくてもよかったんだ、わざわざ來てもらって本當に済まなかったなあ」
片桐「どうしても、親分のほうから助けがほしいって言われてきたんですけど」
中松「そんなことないだろ。お前んとこの親分がどうしてもってよこしたんだ。本當に大した事じゃないんだ。まあ、よくあるもめごとで、別に組どうしでどうのこうのってことはないんだ」
村川「・・・・・・」
沖縄民謡が始まる。
踴りを見つめる村川。
中松「この後、どうする」
片桐「上地さんと町にでも行ってみます」

(19)スナックA・前
黒塗りの車內に良二とケンが居る。
良二「東京のどこに住んでるの」
ケン「中野」
良二「じゃあ駅前のトミーって店知ってる」
ケン「知らねえよ」
良二「そう、けっこう有名なんだけどね」
ケン「知らねえって言ってるだろ」

(20)同・中
酒井と奧村が嫌がらせをしている。
片桐と上地がそれを見ている。

(21)同・前
良二とケンが座っている。
良二「吸う?」
ケン「何それ」
良二「マリファナ」
ケン「麻薬だろ、俺シャブしかやんねえから」

(22)沖縄仮事務所
情景

(23)同・中
ボーイ「身體、具合悪いんですか?」
シャブ中「いや、別に」
ボーイ「あっ、そうですか」
シャブ中「菸草もってます?」
と、突然の爆風。

(24)同・表
仮事務所が爆破される。

(25)同・中
良二とケンが死んだシャブ中と津田に毛布を掛けている。それを見ている上地たち。
片桐「兄貴、これからは、みんなで動くのはあぶないですよ。東京に帰りたい奴は帰してやったほうがいいですよね。向こうもやる気だし」

第三巻
(26)スナックB・中
上地たちが入ってくる。
店の中を見回す村川たち。
奧のボックスに客が一組。
カウンターの奧からママが出てくる。
ママ「いらっしゃいませ。ボックスの方がいいんじゃありません」
上地「いいよ」
ママ「何にします」
上地「ビールでいいよ」
ママ「ビールね。お客さん増えたから女の主子びますね」と、電話を掛けるママ。
ママ「富子だけど、女の子よこして。居たでしょマリちゃんと純ちゃん、お客さん來たのよ」

(27)同・表
良二とケンが見張りをしている。
良二「中野の金城って奴知ってる?」
ケン「えー」
良二「ほら、スーパーに強盜に入って立てこもった奴」
ケン「知らねえよ」
良二「南原って暴走族知ってる?」
ケン「お前な、悪い奴ばっかり知っててよ、もっと何か居ないのかよ、甲子園でたとかもっとましな奴よ」
良二「・・・・・・」
そんな二人の前サラリーマンが三人、スナックBへの階段を昇っていく。

(28)同・中
村川たちが靜かに酒を呑んでいる。
奧村「ビール頂戴」
ボーイ「はい」
先程のサラリーマンが入ってくる。
ママ「いらっしゃいませ」
奧のボックスに座る三人。
それを見とどける村川。
ビールを運んできたボーイが銃聲と共に村川に倒れる。
撃ち合い。
奧村の死體が殘る。

(29)道
街の燈を背に走る上地の車。
瀕死の酒井を挾み、上地と片桐。
助手席の、村川が酒井を見守る。
街から離れていく村川たち。
酒井が死ぬ。
闇に走り去る村川を乗せた車。

(30)夜の道
真っ暗な田舎道を走る村川たちを乗せた車。

(31)崖(未明)
良二とケンが酒井の死體を捨てる。

(32)道
車が走る。

(33)道
車が走ってくる。

(34)海辺の廃家・表
隠れ家のある村に到著する村川たち。
良二がある空き家の戸を開ける。
良二「どうぞ」
雨戸を開ける良二。
良二「先月まで兄貴がここに居たんですけど、今、大阪行っちゃって、誰も居ないんです」

(35)砂浜
良二とケンが砂浜におりて行く。

(36)廃家の前
片桐と上地が買い物に出掛ける。
片桐「上地さんと買い物がてら東京に電話入れてきます」
村川「で、なんて言うんだ」
片桐「しばらく、ここで様子を見るとでも言っておきます」
上地「ビールと焼酎でいいですか」
村川「うん」



摘自http://till2017.blogspot.com/2011/02/2_13.html

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