Francesca
2013-11-28 02:26:59
華やかな儚さ。
筋が普通な映畫だけど、なんかこのような華やかな儚さに引き付けられたんだ。
「表面は美しいけれど、中身は蟲に食い荒らされている果実。いつか朽ち果てるの。みんな知ってるから」
劣等感を持ってるリリコは美しくなったけど、他人を楽しませるというより、自分の慾望と戦うという途中で、人間としての価値を失っていくような感じがした。
「カメラのシャッターをされるたびに、どんどん空っぽになっていく気がする」
「きれいじゃなくなったら、売り物にならなくなったら、きっと、みんなあたしから離れてくる。笑われて、きっとみんな私を忘れていくわ~」
この空っぽな中身は整形の後遺症などで暗闇に永遠にはまっちゃったんだ。
「私はだれにも愛されてないし、だれも私を必要としていない。だから、私は私が決めて、私を壊す」
極端の卑下から極端の慾望と見栄っ張り、極端の自己壊滅まで。
これも悲劇だし、ある程度で喜劇だと思う~なぜなら喜劇かって?
リリコはリリコじゃない。リリコはこの町、あの町にたくさんいる~もっと適切に言うと、人々の心に異なる程度でこのようなリリコが住むんだと思う。皮肉じゃないの?黒い喜劇じゃないの?最後にリリコの妹の現れも魂に住んでいるリリコを微妙に表現してきたんだ。
「タイガーリリ、君の冒険続く、永遠に」
一番印象深いシーンは、リリコが刃物で自分の目を壊して倒れたその瞬間。赤い羽根はさくらのようにぱっと咲いてから、ぱっと舞い落ちる勢いで墜落して、極めて美しく思う~極端の美と言えるだろうか。
それに、リリコは最後のシーンでまた華やかな格好で笑ってるのもなんだか微妙で、意味深い~慾望は慾望に執著する人間を軽蔑するという意味だろうか。リリコは実は慾望の化身じゃないかな~